2年ぶりのメジャーアップデート
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世界標準DAWのひとつであり、世界中にファンを持つCubaseシリーズ。
その最新版である「Cubase 9」シリーズが、2016年12月7日が発表&発売となりました。
Studio oneユーザーからは「Studio oneじゃん!」
Logicユーザーからは「Logicじゃん!」
LIVE9ユーザーからは「LIVE9じゃん!」
などと言われていたファーストインプレッションですが、落ち着いて新機能を見てまいりましょう。
■プロジェクトウィンドウの進化
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mac bookやノートパソコンユーザーへの配慮
音楽制作に必要不可欠な機能に最短距離でアクセス。Cubase 9 ではウィンドウ1つでほとんどの作業が行えるようにGUIを刷新し、MixConsole や各種エディター、コードパッドをプロジェクトウィンドウに統合。選択パートに対するエディターをリアルタイム表示することで数え切れないクリックと時間を節約できます。また VSTi や MediaBay の表示ゾーンの各大縮小も大幅に改善。ラップトップ、マルチディスプレイのどちらにも対応するスマートな回答です。
出典:https://japan.steinberg.net/jp/products/cubase/what_is_new.html
■クリエイターへの挑戦: サンプラートラック
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Cubase 9新機能の目玉の一つ
いつも新しいジャンル、シーン、時代で中心となるのはサンプラー。Cubase 9 は、サンプラーも DAW のトラックとしてスタンバイ。どんなオーディオデータも、トラックにドラッグするだけで新たな命を吹き込めます。ボーカルを叩く? ドラムフィルを作る? ミックスダウンをさらにトラックに混ぜる? 専用サンプラーの機能を統合し、オーディオと MIDI の使い勝手の両方を得られるサンプラートラックは、クリエイターの制作意欲へのさらなる挑戦です。
数百ものサンプルとプリセットを満載した専用サンプルライブラリー Caleidoscope も付属します。出典:https://japan.steinberg.net/jp/products/cubase/what_is_new.html
■MixConsole での操作を履歴管理(Elementsは未搭載)
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かなり嬉しい履歴管理機能
時間と集中力を要するミックス作業で、それぞれの試行錯誤に費やした時間を遡れたら、クリエイターにとってどれだけ勇気になるでしょう? MixConsole はプロジェクトとは独立して履歴を記録し、ミックス中のさまざまな処理をリストから呼び戻せるようになりました。曲のアレンジ、トラックの編集は現在形をキープしたままで、ミキサーだけの基本的なアンドゥ / リドゥはもちろん、プラグインや EQ などに施した個別の処置に至るまですべてを見渡せるため、いくらでもやりたいミックスを追求した上で、どれがベストなのか、客観的に判断することができます。
出典:https://japan.steinberg.net/jp/products/cubase/what_is_new.html
■Frequency 8バンド EQ(Proのみ)
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M/S処理のお供に
新しい Frequency EQ プラグインは、まさに "クリエイターのための EQ" です。ピンポイントの周波数処理を突き詰めた Frequency では、全8バンドにリニアフェイズモード搭載、オートリッスン、スペクトラムディスプレイ、WaveLab Pro でお馴染みの Mid/Side 対応に加え、周波数がどの音名に相当するかが一目瞭然な、鍵盤表示まで搭載しました。音楽を作っていく上で主要言語である音名とミキシングで常に主導権を握る周波数との鍵を握る、このロゼッタストーンを手に入れ、あなたはさらに音楽的なミックスに辿りつくことでしょう。
出典:https://japan.steinberg.net/jp/products/cubase/what_is_new.html
■マルチマーカートラック(Proのみ)
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マーカーは、楽曲制作では欠かせないツールです。基本的に曲のリハーサルマークとして使われることが多いマーカーですが、それだけでなく録音 / 編集時のアンカーとして細かくマーカーを作成する場合、1つのトラックに多くが並存すると混乱をきたします。
Cubase Pro 9 は現代の音楽制作によりマッチするよう、最大10トラックまでのマーカートラックを作成できるようになりました。これにより、リハーサルマーク、録音用、編集用、サイクルマーカーを使ったステム書き出し用など、用途でマーカーを使い分ける事ができます。出典:https://japan.steinberg.net/jp/products/cubase/what_is_new.html
■その他
他には
・Maximizer、AutoPanが新しくなった
・VST3対応のソフト音源をエフェクトとして挿せるAudio-Ins機能
・400以上のドラムループとプリセット「Production Grooves」
・クラウドコラボレーション…?
があります。Audio-Insはユーザーによって新たな発明が生まれる可能性を秘めていそうです!
気をつけるべきVST Bridge非対応
「Cubase 9」は64bit環境に最適化し、動作の安定性を追求した結果、VST Bridgeを廃止することとなり、32bit対応のプラグインはほぼ使えなくなりました。
例えば、CamelPhatを昔から使用しており、所持しているのが32bit版であったりする場合、「Cubase 9」では使用できません。そしてCamelPhat自体は64bit版もありましたが、現在は販売されていないため、通常は手に入りません。
こういったレガシーとも言えるプラグインが使用できなくなって悲鳴を上げているDTMerが世界中にいるのではと思います。
僕も知らずに「9」にアップグレードしていたら、多分悲鳴を上げています。ぎゃー。
↓Steinbergは2016年7月にアナウンスをしていましたが…
今日では、音楽制作環境におけるコンテンツデータの増大に伴い大容量のメモリーが必須になり、32ビットOS上でのメモリー管理制限が制作作業に支障をきたすケースが増えてまいりました。
Steinbergはプロフェッショナルな音楽制作環境を提供し続けるために、今後は64ビット環境での開発に集中することに決定いたしました。
Cubase Pro 8.5 / Artist 8.5 / Elements 8 が 32ビット対応の最終バージョンとなります。また、2016年8月以降リリースされる Steinberg のホストアプリケーション、VST プラグインなどすべてのソフトウェアは、64ビット版のみとなります。今後コンピューター環境を構築される場合は、64ビット環境をご選択ください。出典:https://japan.steinberg.net/jp/support/support_pages/64bit_version.html#c354896
VST Bridgeの廃止は<落ちないDAW>を目指す為の苦渋の決断かと思われます。
32bitから64bitへの移行の過渡期であった2009年頃から脚光を浴びていたサードパーティー製品「jBridge」が陽の目を見るかも?
要検証ですね。